ある日、突然のお客様からの電話。

 

「Yahoo!の〇〇という店でmiyaviさん（私のストア名）の加湿器を購入したのに、Amazonから届いたのはどういうことですか？」

とのこと。

 

「商品が可愛くて良さそうだから調べていたら、いろんなSHOPが同じのを出しているなーと思って、クーポンもあるからとあるところから買ったら、Amazonの箱で届いたからこれはなんだろうと。Amazonで買い物してないからちょっと不安になって」

「で、開けてみたら部品が足りなくて、その店に電話してもつながらないし、折り返しの連絡もない。メールも既読のまま放置されたので、店の住所を調べたらどこかのマンションっぽいけど、本当にお店があるのかと」

 

とやや年配の方から質問攻めにあいました。

 

「そのあとAmazonで調べたらAmazonの方が安いし、なんか値段の差があるから騙された感があって。で、連絡つかなくて、こちらに連絡させてもらいました。突然ですみません。こちらに電話しても良かったですか？」

 

『大丈夫ですよ。お気持ちはよく分かります。私もちょっとそういうのには何度も対応していますが、無在庫転売屋ですね。お客様がYahoo!で注文したら、その転売屋はAmazonで私から購入し、代わりにお客様に届けるのです。なのでAmazonの箱で届きます。おそらくそういう場合があるとか書いていませんでしたか？』

 

「たしかにそう書いてありました。あー、そういうことなんですね。じゃあ、その店は自分で持っていないのに、売っているということですか？いくつか同じのを売っている店があって、どこで買うのか悩んでいたんですけど」

 

『それも他の店は全て無在庫転売屋ですね。なぜならそれは私が売っている以外にはどこにもないものですから』

 

「そうなんですか？それいいんですか？」

 

『もちろんダメですよ。みんな利用規約に反した無在庫転売です。何店舗か警告したことありますが、どんどん次から次に出てくるのです。そういうツールがあるのでしょうね。みんな同じように値段設定されているし、在庫切れたら一斉にページから消えたりしましたし』

 

「そういう仕組みなんですね。そんなのは今こうして教えてもらわなかったら知らなかったです。そういうのってみんな知っているんですか？」

 

『ほぼ知らないでしょうね。無在庫転売屋は何も知らない方からそうやって差額を貰うのです。でも今回のように壊れていた場合とかはいろいろ困るでしょうね。返品するのもAmazonに返品になるので、おかしなことになりますし』

 

「では…今回のはどうすれば…。連絡取れないのですよ」

 

『これも縁ですので、あとは私に任せて下さい。すぐに対応します…』

 

 

　だいぶ簡略化していますが、約２時間にわたり、ご説明させてもらいました。

最初はやや怒り口調だったお客様も、いろいろ説明するといくぶんトーンダウンされ、腑に落ちた感じで納得されていました。

 

 

　今回、何をお伝えしたいかというと、多くの方、特に年配層の方は、ネットショッピングのお店は「どこも実店舗があり、カタログの商品を持っている」と思っており、無在庫転売屋という存在を知らず、少なからず損をしているということです。

　無在庫転売なのでどれも同じ商品なのに、高い方が性能がいいのでは？とわざわざ高いのを選んでいたり、本来の販売者がAmazonや楽天で正規価格で出品しているのに、普段使わないからとそのサイトを回避していたりと、後から知ったら後悔しそうな買い方をされている場合があります。

 

　以前にも書いたとおり、国内ＥＣサイトの無在庫転売屋は、作り手や開発者の思いなど知るよしもなく、売れたら通常販売価格に上乗せされた「差額が入ってラッキー！」的な考えです。彼らは購入者や販売者に悪いとは思っておりません。

　私が委託しているところは、もちろん手数料が発生しますが、それも不当に価格を吊り上げるようなことはしておりません。それは儲けたいというより、適正価格でお客様に納得して購入していただきたいからです。

 

 

　なお、そのお客様の元には後日返送先がAmazonの着払い伝票が届いたとのことです。メールのお問い合わせはすべてダンマリで回答がないと。二度とああいう店では買わない！と。そりゃそうですよね…

　また嬉しいことに、私にはいろいろ教えてもらってとても勉強になった。今回思い切って電話して良かったと、非常に喜ばれていました。今後は欲しいものが私のところにあれば、私のところから買いますとも約束されました。販売者としてとても嬉しく思います。

 

 

　こういうことを受け、私は今後も少しでもネットで買い物する方が不安にならず、安心してお買い物ができるように情報発信をしたいと改めて感じました。

　立体パズルのパーツ依頼も何件かお受けしていますが、全て無償でお届けしています。中にはこういうストアもあることも知ってもらいたいところです。

 

　今後も販売者側にも販売のコツや心構え、お客様との関係を築いていける方法をお伝えしていきます。何かご意見や質問等あれば、可能な限りお答えしていこうと思います。