ECサイトを運営している場合、自社配送以外にAmazonのFBA倉庫を利用したマルチチャネル配送というものがあります。

 

この方法は、他のサイト（Yahoo!ショッピングやメルカリShops、BASEなど）に販売している時に、手元に在庫がない場合はAmazonの倉庫から所定の住所に配送してくれるサービスを利用するというものです。

 

基本的に小型の物はクリックポスト（185円）や、ネコポス（210円）で配送した方が安くなるのですが、投函したりヤマトに持ち込み（ネコポスは集荷依頼不可）をしたりと手間がかかるので、手数料を払ってマルチチャネルを利用する方が楽といえば楽です。

 

さらに自社配送は、商品数が多いのはもちろん、全然売れていなくても、全て自宅や事業所に在庫を持っていないといけない上、そこそこ大きいものだと在庫のスペースの確保もままなりません。その送料も大きさによってはかなり高くなるので、マルチチャネル発送の方が安いことも結構あります。

 

また、いろいろサンプルを仕入れることがあるのですが、１つの商品でもカラーバリエーションで３点の５色とか来ると意外に嵩張るため、本仕入となるとこの比ではありません。自宅に倉庫やそれに準ずる部屋がないとやはり厳しいですね。

 

 

だから無在庫転売屋がいっぱいいるのだとは思いますけど。

 

 

で、Amazonのマルチチャネル発送ですが、下記の図をご覧ください。

 

これ、Amazonとは違うサイトで注文があり、手元にも在庫があったのですが、その在庫は日本語説明書を同梱していないタイプだったのです。

クリックポストだと185円で送れたのですが、カタログには日本語説明書同梱と書いていたので、今回はマルチチャネルから送ることになりました。

 

このメリットは

・Web上の処理ですべて完結できる。

・スマホからでも発送できる。

・自分の住んでいるところから送るわけではないので、到着が早い(場合によっては遅くなることもあり）

 

デメリットは

見てのとおり、配送料金が高くなることです。

配送料金が高い＝Amazonにその手数料を取られるので、利益が大きく減ります。お急ぎ便だとクリックポストよりも500円以上も高い、つまり500円利益が減るということです。

 

しかも、よく見ると通常配送とお急ぎ便のどちらも到着日が同じなのです。

通常が570円で、お急ぎ便だと694円です。普通は当然お急ぎ便の方が早く着くのですが、場合によっては同じ日もあるので、無条件で「お急ぎ便」にはせず、値段を通常と見比べるようにしましょう。

 

ただ、外部に委託している場合は無条件に「お急ぎ便」指定されてしまうのです。ここがちょっと残念ですね。

 

なので1,599円のカップウォーマーが売れた場合、

①AmazonのFBA発送だと販売手数料240円（ホーム＆キッチンカテゴリーで15％）+FBA手数料318円＝558円。

②Amazon自社配送だと240円+185円（クリックポスト）＝425円

③メルカリShopsで売れて自社配送の場合、販売手数料160円（10％）+自社配送185円＝345円

④メルカリShopsでマルチチャネル発送をすると160円+694円（お急ぎ便）＝854円。

 

という感じですね。

③が一番安いのですが、②と同様にラベル印字や投函の手間、梱包資材などが必要になるので、実際はそんなお得ではないかもです。

まとめて複数の注文があるとラベル印字や投函も手間が省けるのでいいのですが、単体だとラベル用紙もムダになりがちなので、あまりコスパがいいとは言えません。梱包資材も80円～と割といい値段するのです。

 

そんなわけで基本はFBAの発送が到着も早くてオススメします。

購入者もprimeマークがついているので、購入しやすくなりますし。ただ、ハロウィンやプライムデーなどのセールは配送が滞りがちだったので、自社配送の方が圧倒的に早くなったものもありました。

 

とはいえ、Yahoo!ショッピングとは違い、Amazonは売れた後では配送方法を選べません。

出荷をAmazonからにしていると、売れたら無条件にFBA出荷となるのです。自社配送（FBM）の場合は、売れたら自宅から送るか、マルチチャネルを使うかを選べます。

 

なおFBAに送っているのに自社配送にしていると、FBAに切り替えするように催促されます。そのまま放置するとFBA倉庫の商品は処分されることもあるので、要注意です。

 

商品によっては、うまく使えば利益を増やせるので、マルチチャネルと自社配送をうまく使いこなしたいところですね。

 

 

ただし、あまり売れないものをFBA倉庫に大量に送っていると、在庫保管手数料が積みあがるので、これも要注意です。